【プロSteamerへの道・第2回】Holy Potatoes! A Weapon Shop?!【レビュー】

プロSteamerへの道
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私たち二人が所有しているSteamのゲームをそれぞれがレビューする連載「プロSteamerへの道」

プロSteamerってなんだろうという疑問がさっそく浮かんでくる第2回は、ジャガイモの鍛冶屋を経営するという一風変わったシミュレーションゲーム「Holy Potatoes! A Weapon Shop?!」をレビューします。
ちなみに邦題だと「武器屋物語じゃが?!」というらしいですね。

Holy Potatoes! A Weapon Shop?!とは

伝説のジャガイモ鍛冶屋の孫である主人公ジャガイモが、行方不明の祖父が運営していた鍛冶屋を引き継いで鍛冶業に勤しみ、伝説のジャガイモ鍛冶屋を目指したり祖父の行方を追ったり追わなかったりするストーリーです。見た目からもわかるように、シリアス要素はほぼありません。全体的に童話チックな、ゆるい感じで話が展開していきます。

最初の導入パート。いかにも怪しいエージェント46が現在の店のオーナーです

最初の導入パート。いかにも怪しいエージェント46が現在の店のオーナーです

ゲームの内容としては、ひたすら武器を作り、冒険者に売りつけ、雇っている鍛冶師を成長させ、鍛冶の材料のアイテムを集め、また武器を作り…という流れが基本です。いわゆるアトリエシリーズから冒険要素をなくした感じと言えばわかる方はわかるでしょうか。個人的にはPS時代の名作「アストロノーカ」に近いんじゃないかと思っています。

ゲームの流れ

導入パートが終わると、「ローラ・クラフト」「バルク・ボーガン」「ラセット・ピータース」という、どっかで聞いたことがあるような名前のジャガイモ鍛冶屋がやってくるので、彼らに手伝ってもらいながら武器を作成していきます。

ローラ・クラフト。どこかから怒られそうな名前と容姿です

ローラ・クラフト。どこかから怒られそうな名前と容姿です

武器には「攻撃力」「スピード」「精度」「魔力」という4つのパラメータ(ゲーム内では「スタッツ」と言います)があり、武器のカテゴリや種類によって得意とするスタッツが異なります。例えば、短剣系統であればスピードが伸びやすい、杖系統であれば魔力が伸びやすい、などです。武器を鍛える際はそれぞれのスタッツごとに鍛冶師を割り振り、どの能力を伸ばすかを決めてから鍛冶を開始します。

作成する武器を選択する画面。往年のファンタジーでお馴染みの武器が並んでいます

作成する武器を選択する画面。往年のファンタジーでお馴染みの武器が並んでいます

鍛冶師ごとにも得意とする能力が異なるので、鍛える武器に応じて適切なスタッツに適切なスタッフを割り振ることでいい武器が完成します。ダジャレではないです。

武器を鍛えるジャガイモ鍛冶師たち。踊ってるように見えますが鍛冶を行っています

武器を鍛えるジャガイモ鍛冶師たち。踊ってるように見えますが鍛冶を行っています

武器が完成したら、辺境のエリアに鍛冶師を派遣してそのエリアにいるジャガイモ冒険者に武器を買い取ってもらうことができます。冒険者には様々なクラス(戦士、盗賊、死霊術師など)が存在し、クラスごとに好みの武器系統や重視するスタッツが異なります。ですので、買い取ってもらう相手に合わせた武器系統・スタッツの武器を鍛えることが、儲けるためのポイントとなります。

武器販売画面。今回の武器は誰もお気に召さないようです

武器販売画面。今回の武器は誰もお気に召さないようです

武器を買い取ってもらうと店の名声値が増加し、一定のポイントを超えると新しいエリアを開放したり、イベントが発生したりします。これを繰り返していくことで、鍛冶屋の規模を拡大しつつ伝説のジャガイモ鍛冶屋への道を駆け上っていくというわけです。

もちろんやることはそれだけではなく、武器を作るための材料を探して鍛冶師にエリアの探索をさせたり、定期的に武器コンテストが開かれたり(このへんがアストロノーカっぽい!)、ポスターを貼ったりSNSを使ってジャガイモ鍛冶師を募集したり…と、盛りだくさんな要素が含まれています。

ゲームのポイント

パロディがたくさん

前述のように、このゲームには他のゲームや実在の人物のパロディが多々登場します。

例えば、ストーリーに絡んでくるエージェント46は某ヒットマンのこの人ですし、ローラ・クラフトは某トレジャーハンターのこの人ですし、あげく「クロード・ストライフ」という割とネタとしてギリギリなジャガイモも出てきます。(どれもスクエニ系列なのはなんか意図があるんですかね…?)

クロード・ストライフさん。彼が求めるのは大剣「バスタンタンソード」

クロード・ストライフさん。彼が求めるのは大剣「バスタンタンソード」

また、ちょっと前に公式で日本語をサポートするようになったのですが、ところどころ怪しい部分があるものの翻訳の質も良好です。海外的なアトモスフィアを感じるパロディやメタなセリフを楽しめます。

バランスは思いのほかシビア

見た目に反して、ゲームのバランスはなかなかシビアです。特に序盤は、きちんと考えて武器を作らないとすぐに赤字になってしまいます。

ある程度経営が軌道に乗ってきても、鍛冶師のどの能力を伸ばしていくか、鍛冶師を何ジャガ(?)雇うか、など悩む要素もそこそこあり、また鍛冶師も適度に休息させないと効率が落ちてくるので、どの鍛冶師をどれだけ働かせるか、どのタイミングでアイテムの探索や新しい武器の開発を行わせるか…など、全体的なバランスを見ながら指示を出していく必要があります。

そのため資金的にはなかなか余裕が出ず、この手のゲームに良くありがちな「お金を稼いでしまえばあとはガバガバ経営でも何とかなる」という状態にはなかなかなりません。赤字にならないよう、緊張感を持ってプレイすることができます。

細かい作り込みが多い

ジャガイモたちのグラフィックは常にちょこまか動いてかわいらしいですし、春になれば花粉症になり、冬になれば風邪を引く…というようにジャガイモのくせに妙にリアルな設定も見ていて飽きさせません。ジャガイモたちのしゃべるセリフも種類が多く、細かい作りこみが光ります。

個人的にはマスコットキャラ的存在のジャガイモ犬がツボでした。この世界では犬ですらジャガイモのようです…。

うちのジャガイモ犬はWanwanoというクッソ安直な名前です

うちのジャガイモ犬はWanwanoというクッソ安直な名前です

まとめ

ジャガイモをメインテーマに据えるユニークさはもちろん、ひたすら武器を作って売り続けていくという他にあまりない要素が魅力的なゲームです。慣れてくるとやや単調となってしまう点はありますが、ゲームバランスも簡単すぎず難しすぎずというちょうどいい具合なので、敵兵を撃ったり撃たれたり、マッポー的世界観の中でヒャッハーするサツバツなゲームに飽きたら、ぜひプレイしてみてはいかがでしょうか。

(きじとら)

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